Nick'97

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イプシロン・デルタ論法のデルタの求め方

こちらの記事では、解析学の最初のポイントでもあるイプシロン・デルタ論法の、デルタの値の取り方について例題を用いて説明していきたいと思います。

似たような記事は色々見かけたのですが、どれもデルタありきの話をしているものだったので、執筆に至った次第です。

 

イプシロン・デルタ論法とは

まず簡単にイプシロン・デルタ論法を説明します。

イプシロン・デンタ論法( 論法)とは、関数の極限値について、厳密に定義したものになります。

例えば  は、関数  の に近づいた時の極限値 であることを示しますが、これをイプシロン・デルタ論法を使えば、 

というふうに 定義されます。

 

記号が読めない方のために簡単に説明をすれば、どんな正の数  が与えられても、それに対応する  が成り立つような正の数  が存在する(見つけることができる)ということです。

 

つまり先ほどの極限を証明するためには、与えられた  に対する  を見つけなければならないのです。

本稿では、その  の求め方を説明しようというわけです。

 

例題

例題1

問題.  を証明しなさい.

が与えられているとします。 

先ほど説明した定義より、 が成り立つような正の数  が存在するのを証明すれば良いのです。

ここで、最終的に欲しいのは  で、どうしても利用したいのが  という形です。なので前者を後者が利用できる形に変形してみます。すると、

 

という形に変形ができます。

この変形は同値関係なので最後に変形した形が証明できればいいわけです。

すると とおくだけで、

 つまり  となって必要事項が示せました。

これで証明が完了です。

 

だいたいイプシロン・デルタ論法自体の流れは掴めたと思うので、次の問題からは少しだけ説明を省略しつつ、トリッキーなところに重点を置いて説明したいと思います。

 

例題2

問題.  を証明しなさい.

示したいのは、 です。

先ほどと同じように、同値関係を崩さないように後半部分を が使えるように変形していきます。

ここからがポイントです。 

 

(*)「仮に」 とします。仮にです。本来は1出なくても正の数なら扱いやすければなんでもいいです。 

このとき、 なので となります。まだ「仮に」の状態です。

この条件を使ってさらに式変形を行うと、 

 

となります。まだ「仮」の状態です。 

この状態で とするには、 、つまり  とすれば良いことがわかります。

 

ここで最初の仮定を思い出しましょう。

と仮定したことによって、 としなければ最後の結果にたどり着けないことになります。

なので、 のどちらか小さい方をとるという意味< のとる値によって決まる>)とすることによって、 の両方を満たすことができる(仮に設定した条件のもとで証明が成り立つ)ということです。

 

まとめ

今回は例題を二題挙げて説明をしてみました。

具体的なデルタの値を求めるには、同値関係の「逆行」と「仮定」をうまく使うことが鍵となります。

また、デルタの値をうまく求めることができても、イプシロンの値によってデルタが負になる可能性もあるので、毎回最後の確認を怠らずに行ってください。

何か他に説明して欲しい例があれば、簡単に説明しようと思いますので、コメントからお問い合わせください。

記事をご覧いただきありがとうございました。

イプシロン-デルタ (数学ワンポイント双書 20)

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イプシロン・デルタ論法 完全攻略

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